ぺ。
31歳になると、だいたい友人との酒の肴が過去の話と仕事の愚痴となってくる。個人の感想ですが。
そこで肝心なのが記憶引き出し能力である。
エピソードトークで言えば稀有な経験は結構してきた人生ではあるのだけど、いかんせんそれを思い出すのが難しい。
例えば あなたの小学生の頃の思い出は?という大分類的な質問をされると「ないです・・・」と答えるのだけど、あなたは小学生の頃、どんな音楽が好きでしたか?という中分類の質問をされると、「もちろんORANGE RANGEとRIP SLYMEですよ」と答えられる。
これはある種聞き手の能力にもよるのだけど、自分の脳内に仮想インタビュアを立てて記憶を探る際にとても重要なポイントだと思う。※BGM:インタビュア(クワガタP)
好きな音楽の話で簡単に説明すると
大分類:小学生の頃の思い出は?
中分類:小学生の頃の思い出の音楽は?
小分類:小学生の頃の思い出の音楽にまつわるエピソードは?
という感じ。あくまで個人の判断基準でだけど。
記憶のタンスの取っ手になるべくフィットする手の形で引き出してあげないと、建付けが悪くて開いてくれない。建付けが悪いというか、小さい引き出しに詰め込みすぎて中で何かが詰まっているのかも。
ということで中でも記憶がなかなか薄い大学生時代の自分と向き合ってみたのだけど、まずは大中小の分類を以下に決めてみた。
大分類:大学時代の思い出は?
中分類:大学時代に出会った面白い人は?
小分類:大学時代に出会ったその人との印象的なエピソードは?
ここで大事なのはまず中分類から手を付けることで、大分類なんてのは最終的に分別してラベリングするだけの名題なんで、無視。
大学時代に出会った面白い人って、誰だったかな、、、と思うとインターンシップに居たあの男か・・・?とか、ふんわりと記憶の糸口を探る。
そこで思い出すのだけど、俺大学時代インターンシップ行ってたなそういえば!と気づく。覚えているのと気づいているのには大きな違いがある。
で、小分類にはすぐには行かずに中分類で気づいた【インターンシップ】という記憶を中心にその時何があったか、無数に伸びた蜘蛛の巣のような記憶の足場を辿っていく。
そういえばあの時、コンペ的なインターンシップでその場で組んだチームだったのにムードメーカーだったあいつのおかげで異常に仲良くなって、すぐに飲みに行って、まだここから頑張らないといけないってのに、「優勝おめでとう!」とか言って乾杯したな、とか。結局本当に優勝したなあ、とか。その後打ち上げして飲みすぎて終電で寝過ごして知らない駅について、おどおどしていたら同じような境遇のサラリーマンと出会って、相乗りしてなんとか宿泊先まで帰ったな、とか。
ある程度記憶の詮索がまとまると、小分類に関しては無数の回答が出来上がっている。
ここでいう小分類への回答はムードメーカーの男や相乗りしたサラリーマン、インターンシップで面倒を見てくれたその会社の当時の人事などなどである。
なので僕は思うに中分類の質問ができることがインタビュアの大事なポイントだと思っていて、コミュニケーションにおいてもこれがとにかく大事なだなと思うわけだ。
大分類の質問を相手に投げかけると、相当記憶整理力や会話力の高い人以外は、え~~なんだろうなあ。。。と詰まってしまうことが多くて、自分も例外に漏れずなのだけど、その質問にもう一つあえて制限をかけてあげることで答えが出やすくなる。
図書館と一緒だな。
この図書館から、この本を見つけてください、ではどうぞ!ではなく、この図書館にはこの本があります。この本はこのジャンルの棚にあります。まで教えてくれれば早めにお目当ての本が見つかる。
そういうコミュニケーションができる大人になりたいんだけど、なかなか気を抜いていると大分類の質問で終わらせてしまうんだな。今までかなりそういう質問を友人に投げてきたなと、年を取ってやっと気づいた。
まだ間に合いますかね。

